1. はじめに
Ubuntu 20.04 LTS(Focal Fossa)は、2020年4月にリリースされ、多くのユーザーにとって安定した環境を提供してきました。しかし、2025年4月に標準サポートが終了することが発表されており、今後の対応を考える必要があります。
この記事では、Ubuntu 20.04 LTSのサポート終了がもたらす影響、移行オプション、アップグレードの手順などを詳しく解説します。
2. Ubuntuのサポート体制とは?
Ubuntuは、LTS(Long Term Support)リリースと通常リリースの2種類のバージョンを提供しています。それぞれの違いを理解し、最適な対応を検討しましょう。
Ubuntu LTSとは?
LTS(長期サポート版)は、通常5年間の標準サポートが提供されるバージョンです。この期間中は、セキュリティ更新やバグ修正が行われ、安定した環境を維持できます。LTSは企業やサーバー用途に適しており、多くのシステム管理者が選択しています。
標準サポートとESM(Extended Security Maintenance)の違い
Ubuntu LTSの標準サポートは5年間ですが、終了後もESM(拡張セキュリティメンテナンス)を利用することで、さらにサポートを延長することができます。
サポート期間 | 内容 |
---|---|
標準サポート(5年間) | セキュリティ更新、バグ修正、カーネルアップデート、ソフトウェアのメンテナンス |
ESM(5年間) | 重大なセキュリティ更新のみ(バグ修正や機能更新はなし) |
Ubuntu 20.04 LTSの標準サポートは2025年4月で終了しますが、ESMを利用すれば2030年まで重要なセキュリティ更新を受け取ることができます。
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3. Ubuntu 20.04のサポート終了スケジュール
Ubuntu 20.04 LTSのサポートスケジュールは以下の通りです。
- 2020年4月 – リリース開始
- 2025年4月 – 標準サポート終了
- 2030年4月 – ESM(拡張セキュリティメンテナンス)終了
サポート終了後、セキュリティパッチが提供されなくなるため、サーバー運用や個人利用においても、移行や対応を検討する必要があります。
4. サポート終了後に何が起こるのか?
Ubuntu 20.04 LTSの標準サポートが終了すると、次のような影響があります。
セキュリティ更新が停止するリスク
サポート終了後、脆弱性が発見されても、セキュリティ更新は提供されません。特に、インターネットに接続している環境では、攻撃のリスクが高まります。
互換性・業務運用・ソフトウェアへの影響
新しいソフトウェアのサポートが打ち切られる可能性があります。また、サーバー環境では、サポートされていないOSを使い続けることで、コンプライアンス上の問題が発生することもあります。
そのまま使い続ける場合の対策
もし、Ubuntu 20.04を引き続き使用する場合、次のような対策が必要です。
- ファイアウォールを強化する
- ESM(拡張セキュリティメンテナンス)に加入する
- 信頼できるパッケージのみを使用する
- OSのアップグレード計画を立てる
5. 推奨される対応策
Ubuntu 20.04 LTSのサポート終了に向け、以下の2つの選択肢があります。
最新LTSバージョン(Ubuntu 24.04)へのアップグレード
Ubuntu 24.04 LTS(2024年4月リリース予定)にアップグレードすることで、引き続き最新のセキュリティ更新を受け取ることができます。
メリット
- 新しい機能やパフォーマンス向上
- 継続的なセキュリティ更新
- 最新のソフトウェア環境を利用可能
デメリット
- アップグレード作業が必要
- 一部のソフトウェアが非互換になる可能性がある
Ubuntu Pro(ESM)による延長サポートの利用
Ubuntu Proに加入することで、最大2030年までセキュリティ更新を受けることが可能です。
Ubuntu Proの概要
- 個人ユーザーは 最大5台まで無料
- 企業向けには有償プランあり
- サーバー環境でも適用可能
6. 移行手順の詳細ガイド
アップグレード前の準備
- バックアップを取る(
rsync
やtar
を利用) - カスタム設定の確認(
/etc
配下の設定ファイル) - ディスクの空き容量を確保(
df -h
コマンドで確認)
Ubuntu 24.04へのアップグレード手順
- パッケージを最新の状態に更新
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
- アップグレードツールのインストール
sudo apt install update-manager-core
- アップグレードの実行
sudo do-release-upgrade
- 再起動して動作を確認
トラブルシューティング
do-release-upgrade
が失敗する場合は、-d
オプションを試す- 古いPPA(パーソナルパッケージアーカイブ)が原因の場合、
/etc/apt/sources.list.d/
を確認し、不要なエントリを削除
7. FAQ(よくある質問)
Q1: Ubuntu 20.04のまま使い続けるとどうなる?
A1: セキュリティ更新が提供されなくなるため、脆弱性のリスクが高まります。
Q2: ESMを利用するにはUbuntu Proが必要?
A2: はい、Ubuntu Proに加入することでESMを利用できます。個人ユーザーは5台まで無料です。
Q3: Ubuntu 24.04へアップグレードするべき?
A3: 基本的にはアップグレードを推奨しますが、環境によってはESMを選択するのも有効です。
8. まとめ
Ubuntu 20.04 LTSの標準サポート終了が近づいており、アップグレードまたはESMの導入が求められます。本記事を参考に、最適な対応を選択してください。
公式アナウンスもチェック!
Ubuntu 20.04 LTSの標準サポート終了について、公式サイトでも詳しく解説されています。移行準備や代替案を検討する際の参考に、ぜひご確認ください。
🔗 Ubuntu公式ブログ: Ubuntu 20.04 LTS Standard Support is coming to an end. Here’s how to prepare.