UbuntuでNTFSを完全活用!マウント・書き込み・トラブル解決ガイド

目次

1. はじめに

Ubuntuを使用していると、WindowsのNTFS形式のハードディスクやUSBメモリをマウントしたい という場面が多々あります。しかし、LinuxはもともとNTFSを標準サポートしておらず、そのままでは読み取り専用 になることがほとんどです。

この記事では、UbuntuでNTFSドライブを適切にマウントして読み書きする方法 を詳しく解説します。

1.1 UbuntuでNTFSを扱う必要性

UbuntuユーザーがNTFSを扱うのは、主に以下のようなケースです。

① Windowsとのデュアルブート環境

WindowsとUbuntuを同じPCでデュアルブートしている場合、NTFSフォーマットのパーティションをUbuntuからアクセスしたい ことがあります。特に、Windowsで作成したファイルをUbuntuで編集したり、データを共有したりする場合に必要です。

② 外付けHDD・USBメモリの利用

外付けのHDDやUSBメモリの多くはNTFS形式でフォーマットされています。Ubuntuでこれらを使うためには、NTFSファイルシステムをサポートするソフトウェアを適切に設定 する必要があります。

③ NTFSの利便性

NTFSはFAT32と比べて1ファイルあたりのサイズ制限がない ため、特に大容量のファイルを扱う場合に有利 です。また、Windowsと互換性が高いため、マルチプラットフォームでデータをやり取りする際に役立ちます。

1.2 UbuntuでNTFSを扱う際の課題

LinuxはデフォルトでNTFSの読み取りには対応していますが、書き込みには追加の設定が必要 です。また、Windowsとの間で問題が発生することもあります。

① Windowsの「高速スタートアップ」との相性

Windows 10や11では、「高速スタートアップ」という機能がデフォルトで有効になっています。これが原因で、UbuntuでNTFSパーティションをマウントしようとすると、「read-only(読み取り専用)」になってしまう ことがあります。

この問題を回避するには、Windowsで以下の設定を行う必要があります。

✅ 高速スタートアップを無効化する方法
  1. Windowsで「コントロールパネル」を開く
  2. 電源オプション」→「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
  3. 現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
  4. 高速スタートアップを有効にする」のチェックを外し、変更を保存

この設定を行うことで、WindowsをシャットダウンしてもNTFSドライブがUbuntuで適切にマウントされるようになります。

② NTFSのパーミッション(アクセス権限)

Linuxでは、ファイルシステムごとにパーミッションの管理方式が異なります。NTFSはもともとWindows用のファイルシステムのため、Linuxの標準的なアクセス権(chmod や chown)では管理できない という制約があります。

このため、NTFSのマウント時に適切なオプションを指定することで、特定のユーザーに書き込み権限を与える必要 があります(詳細は後述)。

1.3 この記事で学べること

本記事では、以下の内容を詳しく解説します。

NTFS-3GとNTFS3の違い(どちらを使うべきか?)
UbuntuでNTFSをマウントする方法(手動・自動)
NTFSパーティションのアクセス権限設定
よくあるトラブルの解決策

Ubuntu初心者でも実践できるように、具体的なコマンドや設定例を紹介 しながら進めていきます。

2. NTFSをサポートする方法(NTFS3 vs NTFS-3G)

UbuntuでNTFSフォーマットのドライブをマウントするためには、主に2つの方法があります。

  • NTFS-3G(従来の標準)
  • NTFS3(カーネル組み込みの新しい方式)

それぞれの特徴と違いを理解し、自分の環境に合った方法を選ぶことが重要 です。

2.1 NTFS-3Gとは?

NTFS-3G は、LinuxでNTFSの読み書きを可能にするオープンソースのユーザースペースドライバ です。

✅ 特徴

  • Ubuntuでは デフォルトでサポート されている
  • 読み書きが安定している
  • アクセス権限(パーミッション)を細かく管理できる
  • FUSE(ユーザースペースのファイルシステム) を利用

✅ メリット

  • 安定性が高い(長年使われており、バグが少ない)
  • すべてのUbuntuバージョンで利用可能
  • fstab設定で簡単に自動マウントできる

⚠️ デメリット

  • カーネルモードではなく、ユーザースペースで動作するためパフォーマンスが低い
  • 最新のNTFS機能には完全対応していない

2.2 NTFS3とは?

NTFS3 は、Linuxカーネル5.15以降に標準搭載されたカーネル内のNTFSドライバ です。

✅ 特徴

  • Linuxカーネルに組み込まれている
  • NTFS-3Gよりもパフォーマンスが大幅に向上
  • カーネルレベルで直接動作するため、高速なファイルアクセスが可能

✅ メリット

  • 高速な読み書き(NTFS-3Gよりも20〜30%速い)
  • カーネル標準機能なので、追加のパッケージが不要
  • 新しいNTFSの機能(圧縮、拡張属性など)にも対応

⚠️ デメリット

  • Ubuntu 22.04以降でのみ利用可能(古いバージョンでは使えない)
  • パーミッションの管理が不完全chownchmod が効かない)
  • fstabでの設定がやや複雑

2.3 NTFS-3G vs NTFS3の比較

どちらの方法を選ぶべきか、違いを表にまとめました。

機能NTFS-3GNTFS3
速度遅い速い
書き込み対応
アクセス権限の管理細かく設定可能限定的
Ubuntuの対応バージョンすべてのバージョン22.04以降
fstabでの自動マウント簡単可能だがやや複雑
推奨環境互換性重視・安定性重視パフォーマンス重視

2.4 どちらを選ぶべきか?

Ubuntuのバージョンや用途によって選ぶべき方法が異なります。

✅ NTFS-3Gを選ぶべきケース

  • Ubuntu 20.04以前を使用している
  • 安定性を重視したい(長年の実績があるため安心)
  • アクセス権限の管理をしっかりしたいchmodchown が使える)
  • fstabで簡単に自動マウントしたい

✅ NTFS3を選ぶべきケース

  • Ubuntu 22.04以降を使用している
  • NTFSパーティションを高速に扱いたい(大容量データのやり取りが多い場合)
  • 追加パッケージを入れたくない(カーネル標準の機能を使いたい)

2.5 簡単な確認方法

自分のUbuntu環境で NTFS3が利用できるか を確認する方法は、以下のコマンドを実行することです。

ls /lib/modules/$(uname -r)/kernel/fs/ntfs3/

もし、ntfs3.ko というファイルが存在していれば、NTFS3がカーネルに組み込まれている ことが分かります。

また、現在使用しているNTFSのマウント方式を確認するには、以下のコマンドを実行します。

mount | grep ntfs

これに ntfs3 もしくは ntfs-3g が表示されていれば、現在のマウント方式が分かります。

まとめ

  • Ubuntu 22.04以降ならNTFS3が推奨(パフォーマンスが速い)
  • 安定性や互換性を重視するならNTFS-3G
  • fstabで自動マウントを設定するならNTFS-3Gの方が簡単
  • どちらを使っているかは mount | grep ntfs で確認可能
年収訴求

3. NTFS-3Gのインストール

UbuntuでNTFSパーティションを適切に読み書きできるようにするには、NTFS-3Gパッケージをインストールする 必要があります。NTFS-3Gは、Ubuntuの公式リポジトリで提供されているため、簡単なコマンドで導入可能 です。

3.1 NTFS-3Gとは?

NTFS-3G は、Linux上でNTFSファイルシステムを扱うためのドライバです。
デフォルトではUbuntuに搭載されていないため、手動でインストールする必要があります。

✅ 特徴

  • NTFSのフル読み書き機能をサポート
  • Ubuntu 20.04以前のバージョンでも利用可能
  • アクセス権限を細かく設定できる
  • FUSE(Filesystem in Userspace)を利用して動作

3.2 NTFS-3Gのインストール手順

UbuntuでNTFS-3Gを導入するには、以下の手順を実行します。

① パッケージリストを更新

まず、Ubuntuのパッケージリストを最新の状態に更新します。

sudo apt update

② NTFS-3Gをインストール

次に、以下のコマンドでNTFS-3Gをインストールします。

sudo apt install ntfs-3g

このコマンドを実行すると、UbuntuのリポジトリからNTFS-3Gがダウンロードされ、システムにインストールされます。

③ インストールの確認

インストールが正しく行われたかを確認するには、以下のコマンドを実行します。

ntfs-3g --version

バージョン情報が表示されれば、正しくインストールされています

3.3 NTFS-3Gの動作確認

インストール後、NTFSパーティションを適切に認識できるか確認します。

① 接続されたNTFSパーティションの確認

まず、接続されているストレージデバイスを一覧表示します。

lsblk

または、より詳細な情報を取得するには fdisk コマンドを使用します。

sudo fdisk -l

このコマンドを実行すると、接続されているディスクやパーティション情報が一覧表示されます。NTFSパーティションのデバイス名(例: /dev/sdb1)を確認してください。

② NTFSパーティションのマウントテスト

手動でNTFSパーティションをマウントし、正常に読み書きできるかテストします。

  1. マウントポイントを作成
sudo mkdir /mnt/ntfs
  1. NTFSパーティションをマウント
sudo mount -t ntfs-3g /dev/sdb1 /mnt/ntfs
  1. マウントが成功したか確認
df -h | grep ntfs

このコマンドを実行すると、マウントされたNTFSパーティションが一覧表示されるはずです

  1. 書き込みテスト(ファイルの作成)
sudo touch /mnt/ntfs/testfile.txt

エラーが出ずにファイルが作成できれば、NTFSパーティションに書き込みが可能 であることが確認できます。

3.4 既存のNTFSパーティションを修正する

NTFSパーティションが 破損していたり、マウントできない場合、以下のコマンドで修復できます。

sudo ntfsfix /dev/sdb1

ntfsfix の機能:
✅ NTFSの不整合を修正
✅ ジャーナルのクリア
✅ Windowsが自動修復できるようにフラグを設定

このコマンドを実行後、もう一度マウントを試してみてください。

まとめ

  • NTFS-3GはUbuntuの公式リポジトリから簡単にインストール可能
  • インストール後は ntfs-3g --version で確認
  • lsblkfdisk -l でデバイスを確認し、マウントテストを実施
  • ntfsfix を使えば、NTFSパーティションの修復が可能

4. NTFSパーティションのマウント方法

UbuntuでNTFSパーティションを使用するためには、適切にマウント(ファイルシステムをOSに認識させること)する必要があります。本セクションでは、手動マウント自動マウント(fstab設定)の2つの方法を詳しく解説します。

4.1 手動でNTFSパーティションをマウントする

まず、USBメモリや外付けHDDなどのNTFSパーティションを手動でマウントする方法を解説します。

① 接続されているデバイスの確認

NTFSパーティションが接続されているかを確認するために、以下のコマンドを実行します。

lsblk

または、より詳細な情報を取得するには fdisk コマンドを使用します。

sudo fdisk -l

これにより、システムに接続されているストレージデバイスの一覧が表示されます。NTFSパーティションがどのデバイス名で認識されているか(例: /dev/sdb1)を確認してください。

② マウントポイントの作成

NTFSパーティションをマウントするためのディレクトリ(マウントポイント)を作成します。

sudo mkdir -p /mnt/ntfs

/mnt/ntfs は、NTFSドライブをマウントするための場所です。任意の名前で作成しても構いません。

③ NTFS-3Gを使用してマウント

以下のコマンドを実行して、NTFSパーティションをマウントします。

sudo mount -t ntfs-3g /dev/sdb1 /mnt/ntfs

このコマンドが成功すると、/mnt/ntfs 以下でNTFSパーティションにアクセスできるようになります。

④ マウントの確認

マウントされたNTFSパーティションが正しく認識されているか確認するには、次のコマンドを実行します。

df -h | grep ntfs

または、以下のコマンドでマウント情報を表示できます。

mount | grep ntfs

⑤ 書き込みテスト

マウントされたNTFSパーティションに書き込みができるか確認するため、以下のコマンドを実行します。

sudo touch /mnt/ntfs/testfile.txt

エラーが出ずにファイルが作成できれば、書き込みが可能な状態になっています。

⑥ アンマウント

NTFSパーティションを安全に取り外すには、umount コマンドを実行します。

sudo umount /mnt/ntfs

もし「使用中でアンマウントできない」というエラーが出た場合は、以下のコマンドを試してください。

sudo fuser -k /mnt/ntfs
sudo umount /mnt/ntfs

4.2 自動マウント(/etc/fstab の設定)

手動で毎回マウントするのは面倒なので、システム起動時に自動でNTFSパーティションをマウントする設定を行います。これには /etc/fstab を編集します。

① NTFSパーティションのUUIDを取得

fstabに設定するために、NTFSパーティションのUUID(識別子)を取得します。

blkid

出力結果の中に、NTFSパーティションのUUIDが表示されます。

/dev/sdb1: UUID="1234-ABCD" TYPE="ntfs" PARTUUID="abcd1234-5678"

この UUID="1234-ABCD" をメモしておきます。

② /etc/fstab にマウント設定を追加

fstabファイルを編集します。

sudo nano /etc/fstab

ファイルの末尾に、次の行を追加します。

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000,umask=0002 0 0

③ 変更を適用

設定を反映するために、以下のコマンドを実行します。

sudo mount -a

エラーが出なければ、再起動後もNTFSパーティションが自動的にマウントされます。

reboot

4.3 NTFS3を使用してマウントする方法

Ubuntu 22.04以降では、NTFS3を使ってNTFSパーティションをマウントすることもできます。

① NTFS3でマウント

以下のコマンドでNTFS3ドライバを使ってマウントします。

sudo mount -t ntfs3 /dev/sdb1 /mnt/ntfs

② fstabでNTFS3を使用する場合

fstabを編集し、次の行を追加します。

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs3 defaults 0 0

変更を適用するには、

sudo mount -a

を実行し、エラーが出ないことを確認します。

まとめ

  • 手動マウントmount -t ntfs-3g /dev/sdX /mnt/ntfs
  • 自動マウント/etc/fstab に設定
  • NTFS3を使う場合は mount -t ntfs3 を使用
  • umount コマンドで安全に取り外し可能
  • fstabにUUIDを設定すると、再起動後も自動的にマウントされる

5. NTFSのアクセス権限設定

NTFSはもともとWindows向けのファイルシステムであり、Linuxの標準的なパーミッション管理(chmodchown)とは異なります。そのため、適切に設定しないと「書き込み不可」「アクセス拒否」などの問題が発生する ことがあります。

このセクションでは、NTFSパーティションのアクセス権限を適切に設定し、Ubuntuで問題なく利用する方法 を解説します。

5.1 NTFSのアクセス権限の基本

Linuxで使われるファイルシステム(ext4 など)では、各ファイルやフォルダに所有者(user)、グループ(group)、その他(other) の権限を設定できます。しかし、NTFSはWindowsのACL(アクセス制御リスト)を使用しているため、Linuxのパーミッション管理がそのまま適用されません。

そのため、NTFSをマウントする際に適切なオプションを指定することで、アクセス権限を調整する必要があります。

5.2 NTFS-3Gを使用したアクセス権限の設定

NTFS-3Gを使ってマウントする際、uid(ユーザーID)と gid(グループID)を指定することで、特定のユーザーに書き込み権限を付与できます。

① 自分のユーザーID(UID)とグループID(GID)を確認

まず、現在のUIDとGIDを確認します。

id

出力例:

uid=1000(user) gid=1000(user) groups=1000(user),27(sudo),...

この場合、uid=1000gid=1000 を使用します。

② 手動マウント時にアクセス権限を設定

NTFSパーティションをマウントする際に、uidgid を指定して自分のユーザーでアクセスできるようにします。

sudo mount -t ntfs-3g -o uid=1000,gid=1000,umask=0022 /dev/sdb1 /mnt/ntfs

③ fstabでアクセス権限を設定(自動マウント)

手動マウントだけでなく、fstabでアクセス権限を適切に設定した状態で自動マウント することも可能です。

sudo nano /etc/fstab

以下の行を追加します。

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000,umask=0022 0 0

編集が終わったら、変更を適用します。

sudo mount -a

5.3 NTFS3を使用したアクセス権限の設定

NTFS3(カーネル組み込みドライバ)では、NTFS-3Gのように uidgid を指定することができません。そのため、マウント時に permissions オプションを指定し、WindowsのACLをエミュレートする形で管理 します。

① 手動マウント時の設定

sudo mount -t ntfs3 -o rw,permissions /dev/sdb1 /mnt/ntfs

② fstabでNTFS3を使用する場合

fstabを編集し、次の行を追加します。

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs3 defaults 0 0

変更を適用するには、

sudo mount -a

を実行し、エラーが出ないことを確認します。

5.4 ルート権限なしでNTFSを利用する

デフォルトでは、NTFSパーティションの書き込みには sudo 権限が必要になることが多いですが、一般ユーザーでも書き込みができるようにする設定 があります。

✅ fmask と dmask の設定

fstabで次のように設定します。

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000,fmask=0111,dmask=0000 0 0

5.5 NTFSのアクセス権限に関するトラブルシューティング

① 「書き込みができない」

原因

  • Windowsの「高速スタートアップ」設定の影響

解決策

  • Windowsで「高速スタートアップ」を無効化

② 「Permission denied(権限が拒否されました)」

原因

  • マウント時に uidgid の指定がない

解決策

  1. 手動マウント時に uid=1000,gid=1000 を指定
sudo mount -t ntfs-3g -o uid=1000,gid=1000 /dev/sdb1 /mnt/ntfs
  1. fstabの設定を修正
UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000 0 0

その後、sudo mount -a で適用。

まとめ

  • NTFSはLinux標準のパーミッション管理と異なるため、マウント時に適切なオプションを指定することが重要
  • uid=1000,gid=1000 を指定すると、特定のユーザーにアクセス権を与えられる
  • fstabに設定すると、毎回手動でマウントする必要がなくなる
  • NTFS3はパーミッションの管理が難しく、NTFS-3Gの方が細かい制御が可能

6. トラブルシューティング

UbuntuでNTFSパーティションをマウントして使用する際に、「書き込みができない」「マウントできない」「アクセスが拒否される」 などの問題が発生することがあります。このセクションでは、よくあるトラブルとその解決方法 について解説します。

6.1 NTFSパーティションが読み取り専用になる(書き込みできない)

✅ 症状

  • NTFSパーティションをマウントしたが、書き込みができない
  • read-only file system(読み取り専用ファイルシステム)というエラーが表示される

❌ 原因

  • Windowsの「高速スタートアップ」が有効 になっている
  • NTFSパーティションに破損があり、不整合が検出されている
  • NTFS-3Gのマウントオプションが正しく設定されていない

🔧 解決策

✅ 方法1: Windowsの「高速スタートアップ」を無効化
  1. Windowsを起動する
  2. コントロールパネル」 → 「電源オプション」を開く
  3. 電源ボタンの動作を選択する」をクリック
  4. 現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
  5. 高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
  6. 設定を保存し、Windowsを完全シャットダウンする
✅ 方法2: NTFSパーティションの不整合を修正
sudo ntfsfix /dev/sdb1
✅ 方法3: 書き込み可能なオプションでマウント
sudo mount -t ntfs-3g -o rw /dev/sdb1 /mnt/ntfs

6.2 「Permission denied(権限が拒否されました)」

✅ 症状

  • NTFSパーティションにアクセスしようとすると「Permission denied」と表示される

❌ 原因

  • NTFS-3Gのマウントオプションに uidgid が指定されていない
  • /etc/fstab の設定が適切でない

🔧 解決策

✅ 方法1: uidgid を指定してマウント
sudo mount -t ntfs-3g -o uid=1000,gid=1000 /dev/sdb1 /mnt/ntfs
✅ 方法2: fstabの設定を修正
UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000 0 0

その後、以下を実行。

sudo mount -a

6.3 「mount: unknown filesystem type ‘ntfs’」

✅ 症状

  • NTFSパーティションをマウントしようとすると、「unknown filesystem type ‘ntfs’」というエラーが表示される

❌ 原因

  • NTFS-3Gがインストールされていない

🔧 解決策

✅ 方法1: NTFS-3Gをインストール
sudo apt update
sudo apt install ntfs-3g
✅ 方法2: NTFS3の利用可否を確認
ls /lib/modules/$(uname -r)/kernel/fs/ntfs3/

6.4 fstabの自動マウントが動作しない

✅ 症状

  • /etc/fstab に設定を追加したのに、再起動後にNTFSパーティションがマウントされない

❌ 原因

  • UUID の指定が間違っている

🔧 解決策

✅ 方法1: UUIDを再確認
blkid
✅ 方法2: fstabの設定を修正
UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000 0 0

その後、以下を実行。

sudo mount -a

6.5 「Device or resource busy(デバイスが使用中)」

✅ 症状

  • umount コマンドを実行しても、「Device or resource busy」と表示され、アンマウントできない

❌ 原因

  • NTFSパーティションが他のプロセスによって使用されている

🔧 解決策

✅ 方法1: 使用中のプロセスを特定し、終了
sudo fuser -m /mnt/ntfs

その後、プロセスを強制終了。

sudo fuser -k /mnt/ntfs
sudo umount /mnt/ntfs
✅ 方法2: 強制アンマウント
sudo umount -l /mnt/ntfs

まとめ

  • 「読み取り専用になる」ntfsfix を試す、Windowsの高速スタートアップを無効化
  • 「Permission denied(アクセス拒否)」uid=1000,gid=1000 を設定
  • 「unknown filesystem type ‘ntfs’」ntfs-3g のインストールを確認
  • 「fstabの自動マウントが機能しない」UUID の誤りやマウントポイントの確認
  • 「デバイスが使用中でアンマウントできない」fuser で使用中のプロセスを確認

7. FAQ(よくある質問)

UbuntuでNTFSパーティションを扱う際に、多くのユーザーが疑問に思う点をまとめました。トラブル発生時や設定時の参考にしてください。

7.1 NTFS-3GとNTFS3のどちらを使えばいいですか?

A: Ubuntu 22.04以降 を使っていて、パフォーマンスを重視するならNTFS3 を選びましょう。
互換性やアクセス権の細かい管理が必要ならNTFS-3G が適しています。

比較表

機能NTFS-3GNTFS3
速度遅い速い
書き込み対応
アクセス権限の管理細かく設定可能限定的
Ubuntuの対応バージョンすべてのバージョン22.04以降
fstabでの自動マウント簡単やや複雑
推奨環境安定性・互換性重視高速性重視

7.2 NTFSドライブをUbuntuでフォーマットできますか?

A: はい、UbuntuでNTFSパーティションをフォーマットすることは可能です。ただし、フォーマットするとデータが消えるため注意してください。

フォーマット手順

sudo mkfs.ntfs -f /dev/sdX

(※ /dev/sdX は適切なデバイス名に置き換えてください)

GPartedを使う方法

  1. sudo apt install gparted でインストール
  2. gparted を起動
  3. NTFSにフォーマットしたいディスクを選択
  4. 「フォーマット」→「NTFS」を選択
  5. 「適用」をクリックしてフォーマット実行

7.3 「権限が拒否されました」と表示された場合の対処法は?

A: アクセス権限の設定が適切でない 可能性があります。次の方法を試してください。

✅ 方法1: uidgid を指定してマウント

sudo mount -t ntfs-3g -o uid=1000,gid=1000 /dev/sdb1 /mnt/ntfs

✅ 方法2: fstabの設定を修正

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000 0 0

その後、sudo mount -a で適用。

✅ 方法3: Windows側でアクセス権限を修正

WindowsでNTFSパーティションのプロパティ → セキュリティ設定 を開き、適切なユーザーにフルコントロール権限を付与してください。

7.4 「NTFSドライブを安全に取り外す方法は?」

A: NTFSパーティションをUbuntuで安全に取り外すには、以下の手順を実行します。

✅ 手動でアンマウント

sudo umount /mnt/ntfs

✅ アンマウントできない場合(使用中)

sudo fuser -m /mnt/ntfs
sudo fuser -k /mnt/ntfs
sudo umount /mnt/ntfs

7.5 Windowsで使っていたNTFSドライブがUbuntuでマウントできません

A: Windowsの「高速スタートアップ」が有効になっていると、NTFSパーティションがロックされることがあります。

✅ 解決策: Windowsの高速スタートアップを無効化

  1. Windowsを起動し、「コントロールパネル」→「電源オプション」を開く
  2. 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
  3. 「現在利用可能ではない設定を変更する」をクリック
  4. 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
  5. Windowsをシャットダウンし、Ubuntuで再マウントする

7.6 「Device or resource busy(デバイスが使用中)」と表示され、アンマウントできない

A: 他のプロセスがNTFSパーティションを使用している可能性があります。

✅ 解決策: 使用中のプロセスを特定し、終了

sudo fuser -m /mnt/ntfs
sudo fuser -k /mnt/ntfs
sudo umount /mnt/ntfs

また、強制アンマウントする場合は以下を実行してください。

sudo umount -l /mnt/ntfs

7.7 fstabで設定したのに、NTFSパーティションが自動マウントされない

A: /etc/fstab の記述ミスやUUIDの間違いが原因かもしれません。

✅ 方法1: UUIDを確認

blkid

✅ 方法2: fstabの設定を修正

UUID=1234-ABCD /mnt/ntfs ntfs-3g defaults,uid=1000,gid=1000 0 0

✅ 方法3: マウントポイントが存在するか確認

sudo mkdir -p /mnt/ntfs

✅ 方法4: 設定を適用

sudo mount -a

7.8 NTFSパーティションが「ディスクがいっぱい」と表示される

A: WindowsでNTFSボリュームの「クォータ」や「圧縮」が有効になっている可能性があります。

✅ 解決策

  1. WindowsでNTFSパーティションの「プロパティ」→「ディスクのクリーンアップ」を実行
  2. 圧縮やクォータ管理が有効なら無効化
  3. Windowsで「エラーチェック(chkdsk)」を実行

まとめ

  • NTFS-3GとNTFS3の違いを理解し、環境に合ったものを選ぶ
  • 書き込み不可の場合は、Windowsの「高速スタートアップ」を無効化
  • 権限エラーが出る場合は uid=1000,gid=1000 を設定
  • fstabの設定ミスに注意し、UUIDを正しく設定する
  • アンマウントエラーが出たら fuser で使用中のプロセスを確認