- 1 1. はじめに
- 2 2. Ubuntuの標準フォントと保存場所
- 3 3. フォントのインストール方法(3パターン)
- 4 4. フォントの設定と管理
- 5 5. トラブルシューティング(フォントの問題を解決する)
- 6 6. FAQ(よくある質問)
- 7 7. まとめ
1. はじめに
Ubuntuを初めてインストールした際、「フォントが読みづらい」「日本語フォントが汚い」と感じたことはありませんか?特に、WindowsやMacから乗り換えたユーザーは、Ubuntuのデフォルトフォントに違和感を覚えることが多いでしょう。これは、Ubuntuに標準搭載されているフォントが限られていることや、フォントのレンダリング(表示の仕方)が異なるためです。
また、「好きなフォントをインストールしたい」「プログラミング向けの等幅フォントを追加したい」といったケースもあります。Ubuntuでは、フォントを自由に追加・変更できますが、その方法を知らないと設定がうまくいかずに困ってしまうこともあります。
本記事では、 Ubuntuにフォントをインストールする方法 を詳しく解説します。以下の3つの方法を紹介するので、あなたの目的に合った方法を選んでください。
- 方法1: Ubuntuの公式リポジトリからインストール(簡単)
- 方法2: 手動でフォントを追加(カスタムフォントの導入)
- 方法3: 特定のフォントをインストール(Windowsフォントやプログラマー向けフォント)
さらに、フォントをインストールした後の 設定方法やトラブルシューティング も詳しく説明します。記事を最後まで読めば、 Ubuntuのフォント環境を快適に整える ことができるでしょう。
それでは、まずはUbuntuに標準搭載されているフォントと、フォントが保存されるディレクトリについて解説していきます。
2. Ubuntuの標準フォントと保存場所
Ubuntuには、デフォルトでいくつかのフォントがインストールされています。しかし、これらのフォントは必ずしも最適とは言えず、特に日本語の可読性に不満を感じるユーザーも多いでしょう。本セクションでは、Ubuntuの標準フォントと、フォントが保存されるディレクトリについて解説します。
2.1 Ubuntuの標準フォントとは?
Ubuntuのデフォルト環境では、以下のようなフォントがインストールされています。
フォント名 | 特徴 |
---|---|
Ubuntu | Ubuntu公式フォント。UIデザイン向けで視認性が高い |
Noto Sans | Googleが開発した多言語対応フォント。日本語にも対応 |
DejaVu Sans | 可読性が高い一般的なSans-serifフォント |
Liberation Sans | WindowsのArialに近いフォント |
Monospace系 (Ubuntu Mono, DejaVu Mono) | プログラムのコード表示に適した等幅フォント |
これらのフォントは、Ubuntuの標準フォントとしてシステムやアプリケーションで使用されます。しかし、日本語フォントに関しては、標準のNoto Sansでは「文字が細くて読みにくい」「ゴシック体が美しくない」と感じることがあり、IPAフォントやメイリオフォントなど、より美しいフォントを導入したいと考えるユーザーが多いです。
2.2 フォントの保存場所
Ubuntuでは、フォントをインストールする場所によって システム全体に適用するか、ユーザーごとに適用するか を決めることができます。
フォントの保存先 | 適用範囲 | コマンド例 |
---|---|---|
/usr/share/fonts/ | システム全体(すべてのユーザーが使用可能) | sudo mv font.ttf /usr/share/fonts/ |
~/.fonts/ | 個別ユーザーのみ(自分だけが使用可能) | mv font.ttf ~/.fonts/ |
/usr/local/share/fonts/ | システム全体(/usr/share/fonts/ とほぼ同じ) | sudo mv font.ttf /usr/local/share/fonts/ |
📌 ポイント
- システム全体に適用したい場合 →
/usr/share/fonts/
にフォントをコピー - 自分だけが使いたい場合 →
~/.fonts/
にフォントを配置 - フォントキャッシュを更新する必要がある(後述)
また、Ubuntu 20.04以降では、~/.fonts/
ディレクトリがデフォルトで存在しないことがあります。その場合は、以下のコマンドでディレクトリを作成してからフォントを追加してください。
mkdir -p ~/.fonts
2.3 インストール済みのフォントを確認する方法
現在Ubuntuにインストールされているフォントを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
fc-list
特定のフォントを検索したい場合は、grep
コマンドを組み合わせます。
fc-list | grep "Noto"
例えば、「Noto」という文字を含むフォントをすべてリストアップできます。
次のステップ
ここまでで、Ubuntuの標準フォントとフォントの保存場所を理解しました。次のセクションでは、実際にフォントをインストールする方法を紹介していきます。まずは 最も簡単な「aptコマンドでインストールする方法」 から説明します。

3. フォントのインストール方法(3パターン)
Ubuntuでは、フォントをインストールする方法がいくつかあります。本セクションでは、初心者向けの簡単な方法から、特定のフォントを導入する応用的な方法まで、3つの方法を紹介します。
- 方法1: 公式リポジトリ(apt)を使う(簡単・おすすめ)
- 方法2: 手動でフォントを追加(カスタムフォント向け)
- 方法3: 特定のフォントをインストール(Windowsフォントやプログラマー向けフォント)
3.1 公式リポジトリ(apt)を使ってインストールする
最も簡単な方法は、Ubuntuの公式リポジトリを利用してフォントをインストールする方法です。公式リポジトリには、日本語フォントや一般的な英字フォントが多数含まれており、手軽に導入できます。
3.1.1 IPAフォントをインストールする
IPAフォントは、日本語の可読性が高く、業務用途にも適したフォントです。以下のコマンドでインストールできます。
sudo apt update
sudo apt install -y fonts-ipafont
fc-cache -fv
📌 ポイント
fonts-ipafont
はIPAフォントのパッケージ。fc-cache -fv
はフォントキャッシュを更新するコマンド。必ず実行しましょう。
3.1.2 その他の便利なフォントをインストール
Ubuntuの公式リポジトリには、IPAフォント以外にも多くのフォントが含まれています。必要に応じて、以下のコマンドでインストールできます。
sudo apt install -y fonts-noto fonts-ubuntu fonts-roboto
フォントパッケージ | 特徴 |
---|---|
fonts-noto | GoogleのNotoフォント(多言語対応) |
fonts-ubuntu | Ubuntu標準のUI向けフォント |
fonts-roboto | Androidの公式フォント(デザイン向け) |
この方法は、初心者でも簡単に実行でき、トラブルが少ないためおすすめです。
3.2 手動でフォントを追加する
公式リポジトリにないフォント(Google Fonts、個人が作成したフォントなど)をインストールしたい場合は、手動で追加する方法を使います。
3.2.1 フォントをダウンロード
まず、インストールしたいフォントをダウンロードします。
例として、「M+ FONTS」という日本語フォントをインストールする場合、以下の手順を実行します。
wget https://osdn.net/frs/redir.php?m=kent&f=mplus-fonts%2F62344%2Fmplus-TESTFLIGHT-063a.tar.xz
tar -xf mplus-TESTFLIGHT-063a.tar.xz
3.2.2 フォントを配置
ダウンロードしたフォントファイル(.ttf
や .otf
)を、以下のいずれかのディレクトリに移動させます。
自分専用(ユーザーごとに適用)
mkdir -p ~/.fonts
mv mplus-TESTFLIGHT-063a/* ~/.fonts/
システム全体(全ユーザーに適用)
sudo mv mplus-TESTFLIGHT-063a/* /usr/share/fonts/
3.2.3 フォントキャッシュを更新
最後に、フォントキャッシュを更新してシステムに認識させます。
fc-cache -fv
これで手動追加したフォントを使用できるようになります。
3.3 特定のフォントをインストールする
Ubuntuにはデフォルトで含まれていないが、特定の用途に人気のフォントを追加する方法を紹介します。
3.3.1 メイリオフォント(Windowsフォント)の導入
メイリオフォントは、Windowsでよく使用される日本語フォントです。以下のコマンドでWindowsフォントをインストールできます。
sudo apt install -y ttf-mscorefonts-installer
💡 注意:
このインストールには MicrosoftのEULA(ライセンス同意) が必要です。途中で Tab
→ Enter
を押して「同意する」を選択しましょう。
3.3.2 HackGenフォント(プログラマー向け)
プログラミング用に最適化された日本語フォント「HackGen」をインストールするには、以下の手順を実行します。
mkdir -p ~/.fonts
wget https://github.com/yuru7/HackGen/releases/download/v2.6.1/HackGen_NF_v2.6.1.zip
unzip HackGen_NF_v2.6.1.zip -d ~/.fonts/
fc-cache -fv
HackGenは、コードが読みやすい等幅フォントで、プログラマーに人気があります。
3.4 まとめ
Ubuntuでフォントをインストールする方法は、大きく分けて3つあります。
方法 | 難易度 | 適用範囲 | 例 |
---|---|---|---|
aptを使う | ★☆☆(簡単) | 公式リポジトリ内のフォント | fonts-ipafont |
手動追加 | ★★☆(中級) | 好きなフォントを自由に追加 | Google Fonts |
特定フォント | ★★☆(中級) | Windowsや開発向けフォント | メイリオ, HackGen |
どの方法を選ぶかは 目的によって異なります。手軽に日本語フォントを改善したい場合は apt を、デザインやプログラミングに最適なフォントを追加したい場合は 手動でインストール するのがおすすめです。
4. フォントの設定と管理
フォントのインストールが完了したら、次は フォントの設定と管理 を行いましょう。Ubuntuでは、フォントをシステム全体で設定する方法や、特定のアプリケーションでカスタマイズする方法があります。本セクションでは、フォントの確認方法、デスクトップ環境での設定、アプリケーションごとのフォント設定について詳しく解説します。
4.1 インストールしたフォントの確認
新しく追加したフォントがUbuntuに正しく認識されているか確認するには、以下のコマンドを使用します。
4.1.1 すべてのインストール済みフォントをリストアップ
fc-list
このコマンドを実行すると、システムに登録されているすべてのフォントが一覧表示されます。
4.1.2 特定のフォントを検索
例えば、「Noto」という名前を含むフォントを検索するには、次のようにします。
fc-list | grep "Noto"
フォント名が正しく表示されていれば、システムにインストールされていることが確認できます。
4.2 システム全体のフォントを変更する
Ubuntuのデスクトップ環境(GNOMEやKDEなど)では、システム全体のフォントを変更できます。
4.2.1 GNOME(Ubuntu標準のデスクトップ環境)
GNOMEでは、GNOME Tweaks(GNOME Tweak Tool)を使用してフォントを変更できます。もしインストールされていない場合は、以下のコマンドでインストールしましょう。
sudo apt install gnome-tweaks
インストール後、「Tweaks(微調整)」を開き、 「フォント」 の項目から以下を変更できます。
- インターフェースフォント(UIの文字)
- ドキュメントフォント(アプリの表示用フォント)
- 等幅フォント(ターミナルやエディター用)
- タイトルバーのフォント
例えば、UIのフォントを「Noto Sans JP」に変更すると、日本語の可読性が向上します。
4.2.2 KDE Plasma(Kubuntuなど)
KDEデスクトップ環境では、「システム設定」からフォントを変更できます。
- 「システム設定」を開く
- 「フォント」 の設定項目を選択
- 「標準フォント」「固定幅フォント」などを変更
- 適用して再起動
4.3 アプリケーションごとのフォント設定
アプリケーションによっては、システム設定とは別にフォントを個別に設定できます。
4.3.1 ターミナル(GNOME Terminal, Konsole)
ターミナルのフォントを変更するには、以下の手順を実行します。
GNOME Terminal のフォント変更
- ターミナルを開く
- メニューから 「設定」 → 「プロファイル」 を開く
- 「カスタムフォントを使用する」 にチェックを入れる
- 任意のフォント(例:「HackGen」など)を選択
Konsole(KDEのターミナル) のフォント変更
- 「設定」 → 「プロファイルの編集」 を開く
- 「外観」 タブでフォントを変更
- 「HackGen」や「Noto Sans Mono」などを選択
4.3.2 VS Code(Visual Studio Code)
開発環境でのフォント変更も重要です。VS Codeでは、settings.json
を編集することでフォントを変更できます。
- 「設定」 → 「テキストエディター」 → 「フォントファミリー」 を開く
- 例として、HackGenフォントを使用する場合、次のように設定:
"editor.fontFamily": "'HackGen Console', 'Fira Code', monospace"
- 設定を保存すると、VS Codeのフォントが変更される
4.3.3 LibreOffice(ドキュメント編集)
Ubuntuの標準オフィススイート「LibreOffice」でも、フォントを変更できます。
- 「ツール」 → 「オプション」 を開く
- 「LibreOffice」 → 「フォント」 を選択
- 既定のフォントを「Noto Sans JP」などに設定
- 適用して再起動
4.4 フォントキャッシュの更新
フォントを変更したのに反映されない場合、フォントキャッシュの更新を試してください。
fc-cache -fv
このコマンドを実行することで、システムが新しいフォント情報を正しく認識します。
4.5 まとめ
Ubuntuでフォントを設定・管理する方法を解説しました。以下のポイントを押さえておきましょう。
- インストール済みフォントを確認する →
fc-list
- システム全体のフォントを変更する → GNOME TweaksやKDEの設定
- アプリごとにフォントを設定する → ターミナル、VS Code、LibreOffice など
- フォントが反映されない場合はキャッシュを更新する →
fc-cache -fv
5. トラブルシューティング(フォントの問題を解決する)
Ubuntuでフォントをインストール・設定した後、うまく反映されない、特定のアプリで使えないなどの問題が発生することがあります。このセクションでは、よくあるトラブルとその解決方法を紹介します。
5.1 フォントが表示されない
フォントをインストールしたはずなのに、システムやアプリで正しく表示されない場合、以下の対処法を試してください。
5.1.1 フォントキャッシュの更新
フォントを手動で追加した場合、システムが新しいフォントを認識していないことがあります。以下のコマンドでフォントキャッシュを更新しましょう。
fc-cache -fv
このコマンドを実行後、システムを再起動すると反映される場合があります。
5.1.2 フォントファイルの配置を確認
インストールしたフォントが正しいディレクトリに配置されているか確認しましょう。
コマンドで確認する
ls ~/.fonts/
ls /usr/share/fonts/
期待したフォントファイル(例:HackGen.ttf
)がリストにない場合、フォントの配置が間違っている可能性があります。適切なディレクトリに移動して、再度 fc-cache -fv
を実行してください。
5.1.3 フォントファイルの権限を確認
フォントの表示がうまくいかない場合、フォントファイルのアクセス権限に問題があるかもしれません。以下のコマンドで権限を修正できます。
sudo chmod -R 755 /usr/share/fonts
sudo chmod -R 755 ~/.fonts
この操作を行った後、フォントキャッシュを更新して再起動してみてください。
5.2 特定のアプリケーションでフォントが使えない
一部のアプリケーションでは、システムフォントとは異なるフォント管理を行っているため、新しくインストールしたフォントが使えないことがあります。
5.2.1 ターミナル(GNOME Terminal, Konsole)で使えない
ターミナルの設定で、手動でフォントを選択してください。
- GNOME Terminal:
- 「設定」→「プロファイルの編集」→「カスタムフォントを使用する」を有効にする
- Konsole(KDE):
- 「設定」→「プロファイルの編集」→「外観」タブでフォントを変更
5.2.2 VS Codeでフォントが変更されない
VS Codeでフォントが反映されない場合、設定ファイル settings.json
を直接編集して確認します。
"editor.fontFamily": "'HackGen Console', 'Fira Code', monospace"
フォント名が正しく入力されているか確認し、VS Codeを再起動してください。
5.2.3 LibreOfficeでフォントが適用されない
LibreOfficeでは、デフォルトのフォントがシステムとは別に設定されている場合があります。
- 「ツール」→「オプション」→「LibreOffice」→「フォント」を開く
- 既定のフォントを手動で「Noto Sans JP」や「IPAフォント」に変更
- 変更を保存し、LibreOfficeを再起動する
5.3 フォントサイズが小さすぎる・大きすぎる
フォントが適切に表示されているが、サイズが小さすぎたり大きすぎたりする場合の対処法です。
5.3.1 GNOMEのフォントスケールを調整
GNOME Tweaks(Gnome Tweak Tool)を使用してフォントのスケールを調整できます。
- 以下のコマンドでインストール(未インストールの場合)
sudo apt install gnome-tweaks
- 「Tweaks」を開く
- 「フォント」セクションの「スケーリングファクター」を調整
例えば、デフォルトの 1.0 を 1.2 に変更すると、フォントが少し大きくなります。
5.3.2 Xresourcesでフォントサイズを変更(上級者向け)
Xorg環境では、~/.Xresources
を編集することでフォントサイズを変更できます。
- ファイルを開く
nano ~/.Xresources
- 以下のような設定を追加
Xft.dpi: 120
- 設定を適用
xrdb -merge ~/.Xresources
この方法は、Xorgを使用している環境(Xfce, i3wm, Openboxなど)で特に有効です。
5.4 フォントの削除方法
不要なフォントを削除したい場合、以下の方法で対応できます。
5.4.1 公式リポジトリのフォントを削除
apt
でインストールしたフォントは、以下のコマンドで削除できます。
sudo apt remove fonts-ipafont
5.4.2 手動でインストールしたフォントを削除
手動で追加したフォントを削除するには、フォントファイルを削除し、キャッシュを更新します。
rm -rf ~/.fonts/HackGen*
fc-cache -fv
また、システム全体のフォントを削除する場合は、/usr/share/fonts/
から対象フォントを削除してください。
sudo rm -rf /usr/share/fonts/HackGen*
sudo fc-cache -fv
5.5 まとめ
フォント関連のトラブルを解決する方法を紹介しました。以下のポイントを押さえておきましょう。
問題 | 解決策 |
---|---|
フォントが表示されない | fc-cache -fv でキャッシュを更新 |
フォントの配置が間違っている | ~/.fonts/ または /usr/share/fonts/ に正しく配置 |
フォントの権限エラー | sudo chmod -R 755 /usr/share/fonts で権限修正 |
特定のアプリで適用されない | 各アプリのフォント設定を手動で変更 |
フォントサイズが小さい | GNOME Tweaksのスケーリングを調整 |
不要なフォントを削除 | rm -rf ~/.fonts/フォント名 で削除 |
6. FAQ(よくある質問)
Ubuntuでのフォントインストールや管理について、多くのユーザーが疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。
6.1 フォントが正しくインストールされたか確認する方法は?
Q: フォントをインストールしたはずなのに、正しくインストールされたか分かりません。確認する方法はありますか?
A: 以下のコマンドを使って、システムに認識されているフォントを確認できます。
fc-list
特定のフォントを検索したい場合は、grep
を組み合わせましょう。
fc-list | grep "フォント名"
例えば、「Noto」という名前を含むフォントを検索するには次のようにします。
fc-list | grep "Noto"
6.2 Windowsのフォント(メイリオや游ゴシック)をUbuntuで使えますか?
Q: Windowsで使っているフォント(メイリオ、游ゴシックなど)をUbuntuにインストールできますか?
A: はい、可能です。WindowsフォントをUbuntuで利用する方法は2つあります。
方法1: Ubuntu公式のWindowsフォントパッケージをインストール
Microsoftの基本フォント(Arial、Times New Romanなど)をインストールするには、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install -y ttf-mscorefonts-installer
インストール途中でライセンス同意画面が表示されるので、Tab
→ Enter
を押して同意してください。
方法2: Windowsからフォントを手動コピー
WindowsのC:\Windows\Fonts
フォルダにある .ttf
フォントファイルをUSBメモリなどでUbuntuにコピーし、~/.fonts/
や /usr/share/fonts/
に配置すれば使用可能です。
mkdir -p ~/.fonts
cp /path/to/WindowsFonts/*.ttf ~/.fonts/
fc-cache -fv
この方法を使えば、メイリオや游ゴシックも使用できます。
6.3 ターミナルのフォントを変更する方法は?
Q: Ubuntuのターミナルのフォントを変更したいです。どうすればよいですか?
A: 使用しているターミナルによって設定方法が異なります。
GNOME Terminal(標準のターミナル)の場合
- ターミナルを開く
- メニューから 「設定」 → 「プロファイル」 を開く
- 「カスタムフォントを使用する」 にチェックを入れる
- 好きなフォント(例:「HackGen」など)を選択する
Konsole(KDEのターミナル)の場合
- 「設定」 → 「プロファイルの編集」 を開く
- 「外観」 タブでフォントを変更
- HackGenやNoto Sans Monoを選択
6.4 フォントが小さすぎて読みにくい!サイズを変更できますか?
Q: システムのフォントサイズが小さすぎて見づらいです。変更する方法はありますか?
A: はい、フォントサイズの調整方法はいくつかあります。
方法1: GNOME Tweaksを使う
GNOME環境の場合、GNOME Tweaks(Gnome Tweak Tool)をインストールすると、フォントサイズを簡単に変更できます。
sudo apt install gnome-tweaks
インストール後、 「Tweaks」 → 「フォント」 の設定からフォントサイズを変更できます。
方法2: Xresourcesを編集する(Xorg環境向け)
Xorgを使用している場合、~/.Xresources
を編集することでフォントサイズを調整できます。
nano ~/.Xresources
次の行を追加または変更してください。
Xft.dpi: 120
適用するには以下のコマンドを実行します。
xrdb -merge ~/.Xresources
方法3: 高DPI設定(4Kディスプレイ向け)
4Kディスプレイを使用している場合、DPIスケールを上げることでフォントを見やすくできます。
gsettings set org.gnome.desktop.interface text-scaling-factor 1.2
この値を 1.0(標準) から 1.2 や 1.5 に調整することで、フォントのサイズを大きくできます。
6.5 不要なフォントを削除する方法は?
Q: インストールしたフォントを削除する方法を教えてください。
A: インストール方法によって削除手順が異なります。
公式リポジトリ(apt)でインストールしたフォントを削除
sudo apt remove fonts-ipafont
このコマンドで、公式リポジトリからインストールしたフォントを削除できます。
手動で追加したフォントを削除
手動で ~/.fonts/
に追加したフォントを削除するには、以下のコマンドを実行します。
rm -rf ~/.fonts/フォント名
fc-cache -fv
システム全体で追加したフォントを削除する場合は、/usr/share/fonts/
から削除します。
sudo rm -rf /usr/share/fonts/フォント名
sudo fc-cache -fv
6.6 まとめ
この記事では、Ubuntuのフォントに関するよくある質問を解決しました。
- Windowsフォントを使う方法
- フォントサイズの調整
- フォントの削除方法
- 太字やフォントレンダリングの改善
7. まとめ
この記事では、Ubuntuにおけるフォントのインストール、設定、管理、トラブルシューティングの方法を詳しく解説しました。最後に、この記事で学んだ重要なポイントを振り返りましょう。
7.1 この記事の重要ポイント
🔹 Ubuntuの標準フォントと保存場所
- Ubuntuには Noto Sans、DejaVu Sans、Ubuntuフォント などの標準フォントがインストールされている。
- フォントの保存場所は
~/.fonts/
(ユーザー専用) や/usr/share/fonts/
(システム全体) などがある。
🔹 フォントのインストール方法
- aptを使って簡単にインストール(例:IPAフォント →
sudo apt install fonts-ipafont
) - 手動でフォントを追加(Google Fontsやカスタムフォントを
~/.fonts/
にコピー) - 特定のフォントを導入(Windowsフォントやプログラマー向けフォント)
🔹 フォントの設定・管理
- GNOME Tweaks や KDEのシステム設定 を使ってシステムフォントを変更
- VS Code、ターミナル、LibreOffice などのアプリごとのフォント設定
- フォントキャッシュの更新 (
fc-cache -fv
) を忘れずに
🔹 トラブルシューティング
- フォントが表示されない場合 →
fc-cache -fv
でキャッシュを更新 - フォントの配置ミス →
~/.fonts/
または/usr/share/fonts/
に適切に配置 - フォントの権限エラー →
sudo chmod -R 755 /usr/share/fonts
- 特定のアプリで適用されない → 各アプリのフォント設定を手動で変更
🔹 FAQでカバーしたポイント
- Windowsフォント(メイリオや游ゴシック)を使う方法
- フォントサイズを変更する方法
- フォントを太字にする方法
- フォントがぼやける問題の対処法
- 不要なフォントの削除方法
7.2 次にすべきこと
Ubuntuのフォント環境をカスタマイズする準備は整いました!次のステップとして、以下のアクションを試してみてください。
✅ Ubuntuのフォントを実際にインストールしてみる
sudo apt install fonts-ipafont
でIPAフォントをインストール- Google Fontsから好きなフォントをダウンロードして
~/.fonts/
に追加
✅ フォントの設定を変更して、見やすい環境を作る
- GNOME Tweaks で UIフォントを「Noto Sans JP」に変更
- ターミナルのフォントを 「HackGen」に設定
✅ 不要なフォントを整理する
fc-list
でインストール済みフォントを確認し、不要なフォントを削除
✅ フォントレンダリングを調整して、より美しく
gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.xsettings hinting 'full'
gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.xsettings antialiasing 'rgba'
7.3 関連記事・参考資料
Ubuntuのフォント管理に関するさらなる知識を得るために、以下の記事も参考にしてください。
7.4 まとめ
Ubuntuのフォント環境を快適にすることで、作業効率が向上し、見た目の美しさも改善されます。本記事を参考に、自分の用途に合ったフォントを選び、最適な設定を行ってください。
🎯 フォントを変えるだけで、Ubuntuがもっと快適になります!
ぜひ、この記事を参考にして あなたの理想のフォント環境を作ってみてください。