1. 導入
PostgreSQLは、安定性とパフォーマンスに優れたリレーショナルデータベースであり、Ubuntu環境でも多くのアプリケーションやシステムで利用されています。この記事では、UbuntuにPostgreSQLをインストールし、基本設定を行う手順をわかりやすく解説します。初心者でもわかるように段階的に説明し、インストール後の確認や接続エラーへの対処法も含めており、安心して環境を構築できる内容です。
2. 前提条件と準備
まず、Ubuntuのバージョンが20.04または22.04であることを確認しましょう。PostgreSQLのインストール前に、最新のパッケージ情報を取得し、パッケージリストを更新しておきます。
sudo apt update
これにより、後のインストール手順がスムーズに進行します。
3. PostgreSQLのインストール手順
3.1 PostgreSQLリポジトリの追加
Ubuntuのデフォルトリポジトリには最新のPostgreSQLが含まれていない場合があるため、公式リポジトリを追加します。これにより、最新バージョンをインストールできます。
sudo sh -c 'echo "deb http://apt.postgresql.org/pub/repos/apt $(lsb_release -cs)-pgdg main" > /etc/apt/sources.list.d/pgdg.list'
sudo wget -qO- https://www.postgresql.org/media/keys/ACCC4CF8.asc | sudo tee /etc/apt/trusted.gpg.d/pgdg.asc
3.2 PostgreSQLのインストール
リポジトリを追加したら、以下のコマンドでPostgreSQLと追加ツールをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install postgresql postgresql-contrib
3.3 インストールの確認
インストール後、次のコマンドでPostgreSQLのバージョンを確認し、正常にインストールされたかチェックします。
postgres --version
4. 初期設定
4.1 PostgreSQLユーザーの設定
PostgreSQLインストール時に「postgres」というシステムユーザーが作成されます。以下のコマンドで「postgres」ユーザーに切り替え、データベース操作を行います。
sudo -i -u postgres
4.2 ローカル接続設定の編集
「pg_hba.conf」ファイルを編集し、認証方式を設定します。デフォルトではローカル接続のみが許可されており、リモート接続を有効にするには以下のファイルの設定を変更します。
sudo nano /etc/postgresql/14/main/pg_hba.conf
たとえば、以下のように「md5」認証を指定し、セキュリティを強化する設定が可能です。
local all postgres md5
host all all 127.0.0.1/32 md5
設定を変更した後は、PostgreSQLサービスを再起動して設定を適用します。
sudo systemctl restart postgresql
5. 簡単な動作確認
5.1 PostgreSQLの起動と停止
PostgreSQLはインストール時に自動起動しますが、以下のコマンドで手動で起動・停止することも可能です。サービスの状態も確認できます。
sudo systemctl status postgresql
sudo systemctl start postgresql
sudo systemctl stop postgresql
5.2 データベースの確認
「psql」コマンドを使ってPostgreSQLに接続し、データベース一覧を確認します。
sudo -u postgres psql
コマンドプロンプトで「\l」と入力すると、現在のデータベースが一覧表示されます。
6. pgAdminのインストールと設定(オプション)
PostgreSQLの管理にはpgAdminというGUIツールも便利です。以下のコマンドでインストールし、ブラウザで簡単に操作できます。
sudo apt install pgadmin4
インストール後、ブラウザで「http://localhost/pgadmin」にアクセスし、PostgreSQLの管理操作が可能です。
7. トラブルシューティングとよくあるエラーの対処法
7.1 インストールエラーとリポジトリエラー
インストール中に「依存関係エラー」や「リポジトリエラー」が発生する場合は、リポジトリのURLが正しいか確認し、再度パッケージリストを更新してください。
sudo apt update
7.2 接続エラーの対処法
PostgreSQLへの接続で「パスワード認証に失敗しました」などのエラーが発生する場合、「pg_hba.conf」設定やパスワードが正しいかを確認し、サービスの再起動を試みましょう。
sudo systemctl restart postgresql
7.3 ネットワークエラーの解決方法
リモートからの接続に問題が発生する場合、postgresql.conf
ファイルで「listen_addresses」の設定が「localhost」になっている可能性があります。リモート接続を有効にするには以下のように変更します。
sudo nano /etc/postgresql/14/main/postgresql.conf
以下のように設定し、リモート接続を許可します。
listen_addresses = '*'
設定後、サービスを再起動して反映させます。
sudo systemctl restart postgresql
8. まとめ
この記事では、Ubuntu環境にPostgreSQLをインストールし、初期設定や動作確認を行う手順について解説しました。pgAdminの使用やリモート接続設定、よくあるエラーの対処法も含めたため、初めての方でもスムーズに設定を行うことができるでしょう。
MySQLとPostgreSQLの違いを解説。性能、拡張性、ユースケースの観点から、プロジェクトに最適なデータベースを選…